小説投稿板@キャスフィ
モブはモブらしく陰で勇者を支えます。
32コメント 2023/02/11(土) 20:09
  • 12    2022/08/22(月) 21:05:03  [通報
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    「もう!グレンの捻くれ者~!そこはお世辞でも似合ってるって言わなきゃー。」

    「あーはいはい。似合ってる似合ってる。」

    「なんでそんな嫌々言わされてる感だすんだよ~」

    いつもしていた心地いい会話。
    彼女は俺が少しからかうとすぐにいじけて頬を膨らます。
    こんなくだらない時間をずっと続けていたいが、それも今日で一旦終わりなんだな。と思うと少し目頭が熱くなり涙が込み上げてくるがそれをグッと堪える。
    そんな俺に気づいたのか彼女は俺の隣に座り少し間を開けて話し始めた。

    「グレン、今までありがとうね。こんな僕と一緒に居てくれて。」

    「な、何だよ急に。」

    「今までグレンにはいっぱい迷惑かけたと思うからさ これでお別れってわけじゃないけど一応言っときたくて。」

    俺は別に彼女に何かをしてあげた訳ではないし迷惑をかけられたこともない。
    むしろどちらかと言えば俺が迷惑かけてた方だしな。
    だけどこれはきっと彼女の勇者になるためのケジメみたいなものなのだろう。

    いや・・・違うな。勇者になるための準備みたいなものかな。
    勇者になれば今までの守られる弱い自分から守る強い自分になるための。
    今までの自分とは変わらなければならない。
    だからこその謝罪なのだろうと思った。
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