小説投稿板@キャスフィ
モブはモブらしく陰で勇者を支えます。
32コメント 2023/02/11(土) 20:09
  • 13    2022/08/22(月) 21:07:15  [通報
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    「ねえグレン。僕、強い勇者になれるかな?皆んなを守れる勇者になれるかな?人々を救った英雄王シオン様みたいな勇者になれるかな?」

    ああ、そうか。
    彼女はきっと不安だったんだろう。
    貴族以外の勇者の誕生って事もあり英雄王シオン様に重ねられ期待される。
    勇者になるってだけでも重圧なのにその上歴代最強と言われる英雄王に重ねられればそりゃ不安にもなるはずだよな。
    俺はそんな事も汲み取ってやれなかったのか。
    さっきの謝罪はきっとそんな不安からよるものなんだと今改めて理解した。
    だから俺は彼女に優しく言う。

    「あんまり気負わずお前らしい勇者になればいいさ。それでも1人で気負ってどうしようも無くなったら俺の事を思いだせ。きっと俺が助けてやるから。」

    力も何もない俺が何かしてやれる訳でもない──いや、そうか。何かしてやれるくらいになれるように俺も努力すればいいんだ。
    勇者になれなくとも勇者である彼女を影から支えればいいんだ。
    だから──

    「俺も頑張るからお前も頑張れよ」


    今はまだ、頑張れとしか言えない。
    だけどいつか君と肩を並べて隣に立てる日が来たら──。
    そんな日が来るはずはないかも知れないけど俺も出来るだけ頑張ってみよう。
    彼女がこれから努力していくように俺も努力しよう。
    彼女に負けないくらいに努力しよう。
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