小説投稿板@キャスフィ
モブはモブらしく陰で勇者を支えます。
32コメント 2023/02/11(土) 20:09
  • 15    2022/08/22(月) 21:08:49  [通報
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    4 遠く離れていく君。


    エリスが王都グリムガルドに旅立って3ヶ月の時が過ぎた日のまだ陽がジリジリと照りつける時間に村に一報が知らされる。

    「おーい!祝報だーー!!」

    右手に新聞を握りしめた1人の男が大慌てで村の中央広場へと走っていく。
    その声に釣られ広場近くに住む者達や周辺にいた者達が皆その男の元へと駆け寄っていく。

    「何だ何だー?」

    気づけばそこは村人によって小さな円になっていた。

    「エリスちゃんがA級ダンジョン踏破したって!」


    広場に置かれた小さなステージの上へと広げられた新聞を見るとそこには大々的にエリスの居る勇者パーティがダンジョン踏破と大きな見出しに一面にエリス達の写真が掲載されていた。
    勇者パーティは最近エリスが加入したパーティのこと。
    勇者エリス、賢者ラティス、戦士アルカイナ、魔女エミリーら4人からなるチーム。
    そして、賢者ラティスという男はとてつもなくイケメン。なんか無性に腹立つ。

    「エリスちゃんすごいわねー。」
    「これなら魔王が倒される日もあっという間だね!」

    村人達は我が子のようにエリスのダンジョン踏破の話を喜んだ。
    まあ、この村は人口70人程度。
    全員が知り合いのような者だし喜ぶのも無理はないかな。
    だが、それにしてもエリスはもうA級ダンジョンを制覇したのか。
    村を旅立って3ヶ月しか経っていない。
    彼女が今のパーティに加入したのはまだ1ヶ月前のことだ。
    1ヶ月でのA級ダンジョン踏破は異例中の異例。騒がれるのも無理はない。
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