小説投稿板@キャスフィ
モブはモブらしく陰で勇者を支えます。
32コメント 2023/02/11(土) 20:09
  • 28    2022/08/22(月) 21:21:58  [通報
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    幸い広場には≪身体強化≫のスキルを持つもの達もいる。
    捌き切れない分はその人達に任せて俺はここで1匹でも多く数を減らすことに専念しよう。
    大丈夫だ。俺だってあいつが旅立ってからの3ヶ月間ひたすら1人で剣を振り、技術を磨いて来た。
    低級魔獣相手なら俺だって少しはやれるはずだ。

    大丈夫大丈夫だと恐怖のあまり震える手をグッと押し込める。

    「俺なら出来る。」

    そう自分に言い聞かした俺は棒を両手で握りしめ自分の頭の上へと大きく振り上げて勢いよく振り下ろした。
    何度も何度もただひたすら木の棒を振り下ろす。
    だが、俺の攻撃でボアウルフ達の勢いが止まることはなかった。
    不意打ちで1匹は倒せたが次から次へと俺に飛びかかってくるボアウルフ。
    そんな状況では俺の足掻きも無意味。

    「ぐはっ。」

    ボアウルフ達に噛みつかれた俺の体はありとあらゆる場所から血が滲み出ていた。
    そんな状態の自分を見てさっきまでの威勢とは裏腹に一気に死の恐怖が押し寄せる。
    俺の力では何とか意表を突いた最初の1匹を倒すだけが精一杯だったからだ。
    そんな不甲斐ない無力な自分をただひたすらに悔やんだ。
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