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魔法文明のこの世界で俺は剣だけで最強に至る。
24コメント 2022/08/22(月) 22:39

  • 1    2022/08/22(月) 22:12:12  [通報
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    0話 魔法文明の始まり


     これはこの世界に語り継がれる2人の人物の物語だ。


     昔々──それはまだ俺たちが生まれるはるか昔、まだ人間界に剣の文明が栄えていた1000年も前のこと。
     この世界は魔界からやってきた魔王とその配下である魔人達に支配されていた。
     人々は魔王のその圧倒的な力を前に次第に生きること、即ち勝つ事を諦めてしまう。
     そんなある日、1人の人間がこの世界・・そして、人類を救うために立ち上がります。
     その者の名前は「「レオン・ハルト」」

     彼はこの世界において『剣聖』と呼ばれるほどの剣の腕と力を持っていました。
     レオンは魔王に対抗するために人々を戦場へと駆り立てて魔王の住まう城へと皆を率いて攻め込みました。
     攻め込んだレオン達はそれほど大きな犠牲もなく順調に魔王の居る部屋の前までたどり着くことに成功します。
     だけど、その時レオンはふと疑問に思いました。
     ここまでくる間の城内の警備があまりにも緩かったからです。
     
     何かがおかしい。レオンの頭の中には色々な疑問が駆け巡りました。
     レオンは1人頭を抱えて考えました。
     そしてようやく──そのおかしさの理由が分かってしまったのです。
     レオン達は魔王の居る部屋へと突入しましたがそこに魔王は居ませんでした。
     
     そう、レオン達はまんまと魔王の術中にハマってしまったのです。
     魔王の思惑が分かったレオンは慌てて人々に撤退命令を出しました。
     だけど、それはすでに手遅れでした。
     その後、魔王はレオン率いる人間の連合軍が城内にいることを確認して魔王城をまだこの時、人間が扱えなかった"魔法"を使い破壊しました。
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  • 2    2022/08/22(月) 22:12:43  [通報
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     その結果、レオン達は魔王城にて戦死してしまいます。
     レオンに連合軍の兵の8割を任せてしまった人々は戦力を根こそぎ無くしてしまい弱体化しました。
     そして、生き残された人々達は10年もの長い年月を魔王を含める魔神達の奴隷となり過ごしました。

     そんな現状を打開できる転機が訪れたのはレオンの死から10年後の事でした。
     1人の人間の男が"魔法"の会得に成功したのです。
     それもその魔法は魔王達には使えない代物で
     その魔法は魔王達魔界の者の弱点となる魔法属性でした。
     その属性は光──。

     その魔法を会得した男の名は「「エデン・アストラル」」

     彼は後にこう呼ばれます。

     ───勇者と。

     そしてエデン率いる人間たちはエデンの魔法を軸にし駆使して魔王へと反撃に出ました。
     その結果、多くの犠牲が出たものの何とか魔王を倒すことに成功したのです。
     
     その瞬間に人々は歓喜しました。
     長らく続いた魔王の支配からようやく解放されたからです。
     それと同時に人々は5年前のレオン・ハルトのことを思い出しました。
     敵の罠にかかり無様な死を迎え、人間界を魔王の手に落とした事の元凶である彼のことを人々は恨みました。
     
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  • 3    2022/08/22(月) 22:13:27  [通報
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     『あいつはただの愚者だ。』
     『いたずらに兵を死なせて我々を苦しめた憎き男だ。』
     
     と、今は亡き彼のことを人々は皆、非難し始めます。
    そして時には──

     『彼は魔王の回し者だったのかも知れない』

     などと彼を魔王の仲間だったんだと思い込む人達もいました。
     ただ、彼が居ない今、その怒りの矛先を向ける者がいなかった人々は次第に彼の愛した剣へとその矛先を変えました。

     剣が強く非難され憎しみの象徴となった一方で──この世界を救ったエデンが使う"魔法"は皆から大きく賞賛され崇められるようになります。

     こうして怒りの矛先が向かった役立たずな剣の文明は次第に衰退していき無くなってしまいます。
     そして新しく人類は剣の文明を捨て新しく"魔法"文明を築き上げていくことになります。

     こうして魔王を倒した"魔法"使いエデンは勇者と呼ばれ、剣を愛し、剣で戦い無様な死で世界を魔王に支配させられたレオンは愚者として語り継がれこの世界は魔法文明へと変化しました。


     これは1000年以上経つ今もなお語り継がれる勇者エデンと愚者レオン。
     そして───魔法文明の始まりの物語。
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  • 4    2022/08/22(月) 22:15:00  [通報
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    1話 魔法適正鑑定


     勇者エデンと愚者レオンの物語の舞台から──1015年後。
     魔法歴1015年───。

     この世界は魔法文明になっていた。
     この世界に住まうものの全ての人間は15の年になると魔法が使えるようになる。

     魔法を使うためにはまず、年に1回教会で開催される魔法適正鑑定の儀式を受けて自身が使える魔法属性を把握する必要がある。
     
     そして今日、俺アギト・アストラルも15の歳になり魔法適性鑑定の儀式を受ける日がやってきた。


     「おはようございます。父上、母上。」

     眠たい目を軽く手で擦り、父上と母上に朝の挨拶を交わす。


    「おはようアギト。いよいよ今日だな。我らのご先祖である勇者エデン様が築き上げたアストラル家。お前もその勇者エデン様の末裔だ。きっと立派な魔法使いになれるだろう。」

     朝食が並ぶ大きな大理石のテーブルの前で椅子に腰掛けて俺に挨拶を返すのはこの家の主人であり俺の父親であるエジル・アストラル。

     そう、俺の家名はアストラル。
     それは勇者エデン様と同じ家名。
     つまり──俺は勇者の末裔なのだ。
     あの逸話以来、アストラル家は地位と名誉を築き上げ今では王族に匹敵する程の権力を持つ大貴族へと成長した。
      それもこれも全ては勇者エデン様の功績があってこそのものだ。

     「ありがとうございます父上。必ずご期待に添えて見せます。」

     「うむ。それにしてもレギト、お前も3年後には鑑定の儀式がある。兄を見習って貴族として品のある言葉遣いを心がけよ」

     父上が話しかけたのは俺の3個離れた弟であるレギトだ。 
     どこで覚えてきたのかは分からないがレギトは貴族とは思えない程の荒い言葉を使う。
     その言葉遣いに父上はいつも手を焼いていた。
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  • 5    2022/08/22(月) 22:16:48  [通報
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     「分かってるって。でも兄さん未だに魔法使えないし魔法適正が無い無能だったら笑っちまうよね。」

     レギトは椅子に座る俺を横目で見ながら悪態をつく。
     いつからかは分からないがレギトは俺に対して少し嫌悪感があるようだ。 
     毎朝顔を合わせればこのように俺を小馬鹿にするような事を口にしている。

     「口を慎めレギト。我らアストラル家は勇者エデン様の末裔だ。そんな事は決してありえない。」


     このレギトの言う通り、俺はまだ魔法を使えたことがない。
     だか、それは本来は普通な事。
     父上やレギトは10歳の時には魔法を使うことができたが本来魔法は鑑定の儀式を受けた時に使えるようになる。
     そもそもこの魔法文明の世界で魔法が使えないと言う事はありえないのだ。

     「アギト、そろそろ時間だ。教会へ出立する。レギトお前も共に来い。兄の勇姿をしかとその目に焼き付けよ。」

     「ええー。俺もついていかないといけないのかよー。」

     嫌がるレギトを父上は無理矢理にでも引っ張り出し家の外に停まっている馬車へと乗り込んだ。

     こうして俺とレギトそして父上は共に教会へと足を運んだ。
     この時の俺はまだ知らなかった──この先の出来事を。
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  • 6    2022/08/22(月) 22:17:29  [通報
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    *****



     30分ほど馬車に揺られ教会へ着くと
     馬車から降りる俺たちを取り囲むように人だかりが出来た。

     「アストラル家の御一行様だ。」
     「アギト様相変わらずかっこいいわね。」
     「レギト様もアギト様に似てかっこいいわね。」


    次第に当たりがざわつきはじめた。
      俺たちはアストラル家、勇者の家系だから必然的に話題の中心になって当然注目の的になる。
      
      そんな人だかりをよそに俺はすれ違う人達に軽く手を振り教会の中へと入った。

      そして30分後──。
      長く続いた世間話も含めた神官の挨拶の後いよいよ儀式が始まった。

      俺は自分の番が来るのを只ひたすら待つ。
      そして儀式が始まって15分の時が経つ時──ようやく俺の番が回ってきたのだ。

      「次は・・・アギト・アストラル様。前へ。」

    神官が俺の名を呼ぶ。
      その声を聞いて俺は神官の元へ歩み始めた所。父上が激励の言葉を送ってくれた。

      「アギトよ。お前はきっと大丈夫だ。勇者エデン様の名に恥じぬようにしっかりとな。」

    その言葉を聞きグッと気持ちを引き締めた。
       
      「行ってまいります。父上。」

      と父上に言葉を交わし俺は神官の元へと向かった。
      
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  • 7    2022/08/22(月) 22:18:38  [通報
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      「次アギト様だ!勇者様の末裔ならきっと全部の属性の魔法適性があるとかありえるかもよ!?」

    と、俺の番になると皆の視線や話題が俺へと集まる。
      それほどまでにアストラル家に対する期待がでかいのだ。
      
      
      そして──神官の目の前へ俺が到着すると早々に神官は自身の目の前に置かれた水晶へ両手をかざす。


      「・・・・」

    1分ほどの静寂の時間、その間にそこにいた人たちはみんな生唾を飲み込みながらその時が来るのを待ち続けた。
       そしてようやく───神官は口を開いた。

      「何と言う事じゃ・・・こんなもの見た事ない。」

    その声を聞いて辺りにいたもの達が再びざわつき始めた。
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  • 8    2022/08/22(月) 22:19:32  [通報
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      「え?見た事ないって・・・見たこともない属性ってことなの!?」
      「まさか、そうなると・・勇者様が使った光属性とか・・・!?」

    次第にそのざわつきは期待の声へと変わりはじめた。
      確かにこれまで何千人と鑑定してきた神官が見たことがない属性なんてエデン様のみが使えた光属性だとしてもおかしくない。
      俺はエデン様の末裔だし父上でも適性を得れなかった光魔法だとしたら・・・とその時のことを妄想してしまう。
      父上からは褒められてレギトもきっと今のあの態度から改めて俺に憧れを抱くかもしれない。
      そんな事を頭の中で妄想していたらいてもたってもいられなくなった。
      早くその結果を知りたい。
      そう思った俺はつい急かすかのように神官に問いかけた。

      「あの・・・それってなんですか?」

    自身の適性属性が希少なものだと思い、つい舞い上がってしまう。
      だが───、
      神官から発せられた言葉は俺の予想とはまったくもって違うものだった。


      「君の使える魔法は・・・・ない。」

    「え・・・。」

    その言葉を聞き俺は耳を疑う。
      使える魔法がないだって?
      魔法文明のこの時代に?
      勇者の末裔なのに?

      「と、言うより君には・・・魔力がないから属性の適性がないとかではなく根本的に魔法が使えないのじゃ。はて、こんなケースは私も生まれて初めて見た・・・。」

      あまりの出来事に辺りにいたもの達は皆言葉を発することができず硬直してしまった。
      そんな凍りついた状況を変えたのは───レギトの一言だった。

      「プッ!兄さん魔力がないってマジかよ!あまりの衝撃で吹き出しちまったよ!
     魔法文明の今の世界で魔力がないって本当に只の無能じゃねえか!」

    レギトは俺を吹き出しながら笑い、俺の胸の奥えぐりとる言葉を発した。
      そのレギトの声を聞き次第に辺りにいたもの達もヒソヒソと話しはじめた。
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  • 9    2022/08/22(月) 22:21:45  [通報
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      「勇者様の末裔なのに魔力がないって何?やばくない?」
    「俺、魔力がないやつとか初めて見たよ」
     
    ここにきた時は期待の言葉を出していたもの達がその時の態度が一変して俺の耳にも微かに聞こえるくらいの声で俺を蔑む言葉を投げかけてくる。
      そんな状況に耐えきれなくなってしまった俺は走って父上の元へと戻った。


      「ち、父上。これは何かの間違いですよね?もしかしたら水晶が壊れていたのかも・・・」

    「・・・」

    俺は父上に必死に問いかけた。
      これは間違いの結果なのだと言って欲しかったから。
      俺はこれまで父上のような強い魔法使いになることを目標にして生きてきた。
      だから、父上が間違いだと言ってくれれば俺にはまだ可能性があると思ったから・・・。

      だけど、俺が期待したような言葉が父上から返ってくることはなかった。


      「そんな訳なかろう。アギト、お前を今日をもってアストラル家から追放する。今後一切アストラル家の名を語ることはおろか我が家の敷地に足を跨ぐことも禁ずる。1人でどこまでも行くが良いこの愚者め。」

    「愚者って・・」

    「魔力を持たない無能などあの愚者と一緒だ。由緒正しきアストラル家の家名を汚しおって恥を知れ。」

    「え・・?父・・上・・?」

    「行くぞレギト。お前はこんな愚者にはなってくれるなよ。」

    そう言うと父上は俺の顔に目を向けることもなく、ましてや励ます言葉をかけてくれる事もなく俺をその場に残してそのまま教会の外へと出ていった。

       「兄さんドンマイ!アストラル家は俺が何とかしてやるから兄さんは1人で気ままに生きていきなよっ──て魔法も使えないなら生きていけないか!あはははは」

    去り際にレギトは俺を再び馬鹿にしながら父上の後を追って去っていった。
       俺は教会へただ1人取り残されたのだ。
       耳を澄ますとヒソヒソと何かを話す声が聞こえる。
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  • 10    2022/08/22(月) 22:22:42  [通報
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       「お父上様にも見放されて可哀想な人ね。」
    「仕方ないと思うね。勇者様の名を汚したんだから。」

       状況を見ていて俺に哀れと思い同情する者、俺の報いは当然なんだと罵倒する者様々な言葉達がその場に立ち尽くす俺の耳に聞きたくなくても入ってくる。
       そんな言葉達を聞いて俺はいてもたって居られなくなってその場を逃げ出した。

       外に出て走りながらも父上やレギトから言われた言葉が脳裏に浮かぶ。

       『恥を知れ!』

       『魔法も使えないなら生きていけないか!』

       その言われた言葉達が俺の胸の奥を鋭利に尖った言葉のナイフで突き刺す。

       「何で俺がこんな目に・・・・。」

    走りながらも周囲にいたすれ違う人全てが俺を笑っているかのように見えた。
       
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  • 11    2022/08/22(月) 22:23:36  [通報
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    2 暗闇を彷徨う

      
     街の方から遠ざかるように必死に走っていたら気づけば陽が沈みはじめていた。
     俺は町外れの草原に1人でポツンと座り空を見上げた。

     「これから一体どうすればいいんだ。」

     父上から勘当された俺にはもう帰る場所が存在しない。
     これからは自分の力だけで生きていかなければならない。

     だが──、
     そんな事できる気がしなかった。
     魔法は本来戦闘に使うものだけど日常生活にも応用される。
     例えば、店や農業などの仕事をする時はその属性に見合ったもの達が仕事につく。
     農業であれば、畑に撒くための水を作り出せる水属性の適正の持ち主達や食事処だと肉などを炒めるための火を作り出せる火属性の適性の持ち主などが重宝される。
     基本的に何かしらの魔法が使えるものじゃないと仕事につく事すらままならない。
     つまり──魔法が使えない者ができる仕事が存在しない。
     それは飯を食っていけないと言う事だ。
       
     俺がこれから1人でやっていける道は最早、魔物などを狩って自給自足で生きていく事しかない。
     だけど魔法を使えない。
     そうなれば魔物を狩る術がない。

     「困ったな。早く何とかしないと。」

     と、そんなことを考えていた間に辺りはすっかり暗くなっていた。

     「とりあえず今日はもうここで寝よう。」

     俺は草原に寝そべり目を閉じた。
     野宿なんて生まれて初めてするな。
     あのフカフカだったベットが恋しい。
     アストラル家の時の生活を思い出しながら俺はゆっくりの眠りについた。

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