妹が書いた小説を載せます！

猫物語

猫はいつもご主人が出してくれる
マグロの缶詰が大好き。
ペロリとたいらげ、
すぐにおかわりをねだってしまうほどです。

しかし、偶にやって来るニイサンとやらは嫌いでした。
ご主人がそいつばかり構って、猫のことを放っておいてしまうからです。
猫はニイサンに自分を撫でさせたことなど、一度もありません。

ある日、ニイサンはパタリと来なくなってしまいました。猫はご主人を独り占めできると、嬉しくなりましたが、ご主人は浮かない顔。ニイサンは死んでしまったのです。
その日出されたマグロの缶詰は、いつもの味とは違いました。

ある日ご主人が、猫ちゃん箱あげると猫に箱を渡しました。猫が箱を破くと中から、猫が大好きなあのマグロの缶詰が出てきました。猫は驚きました。　

実はニイサンは、このマグロ缶の開発者で、ご主人の猫に好かれたいと猫好みの缶詰作りをしてたのです。
いつもご主人がこの缶をくれたのではなく、ニイサンの猫への贈り物だったのです。
開発者亡き今、この猫のもとにある缶が、猫への最後のプレゼントなんです。
猫は、ただ静かにゆっくり、ゆっくりそのマグロ缶を大切に食べました。