海と花束 創作
私のとある日常
16コメント 2023/07/08(土) 12:23
  • 8  世田谷世羅  2021/09/02(木) 14:46:58  [通報
    返信 削除
    希佐は根地先輩に作業部屋に連れていかれる。
    「あのとき君は、なにが足りないのか全く分かっていないようだった。
    でも今は……知っているよね?」
    「……『女』を演じるということです」
    「ああ、そうだ。
    まず、絶対に忘れないで欲しいのは、僕は君の才能を認めていて君ならルキオラを演じられると信じていることだ。」
    「でも君は、同じ場所から動けずにいる」
    「すみませ……」
    「だから引き出そうと思う。僕が」
    根地先輩は希佐に即興劇を持ちかける。
    「君には女を演じてほしい。僕は男を演じる。
    男として女の君を口説き、求める」
    「えっ……?」
    希佐は突然のことに困惑している。
    「あらがってくれてもいいよ。僕は君を抱くつもりでいく」
    「……?!ま、待ってください、根地せんぱ……」
    根地先輩は本気だ。
    話を進めていくと、根地先輩の顔がどんどん近づいていって、希佐とキスしそうになる。
    「……!」
    突然、根地先輩は希佐を避けるように身を引いた。
    何だか違和感がしたのだ。
    女を演じている男とキスしかけたはずなのに、まるで本物の女とキスしかけたような。
    即興劇は中断になり、結局キスはせずに終わった。
    この恋愛イベントを終えて私は思った。
    何だかえろいし、ほもほもしいなぁー、と。
    もしも希佐ちゃんが女じゃなくて男だとしたら即興劇は中断されることなく男同士でキスしちゃってたじゃないか、とか。
    まあ、そもそも主人公が男だったとしたら、女役に悩む理由はなかったと思うから、このイベント自体が存在しなかったことになるわけだけども。
    妹によると、根地先輩の恋愛イベントが面白くなるのはこれかららしい。
    本当なんだろうか。
    次の恋愛イベントはクリスマスか、もうすぐだ。
    恋愛イベントを終えて一区切りがついたところで、17時39分。
    私はスマホ画面を覗いて見た。
    14時02分に兄貴から東京タワーの写真が送られてきていた。



記事・画像を引用